松澤結子さんの奏でる音色は、春の芽吹きを思わせるような柔らかで優しいけれど、潜在的な力強さを内包する音色で、会場の人々を穏やかな気持ちにさせてくれました。
 演奏は、ルネサンス期イギリスの有名なリュート奏者兼作曲家ダウランド(1563~1626)の”ファンタジア”から始まり、アグアド、レゴンディ、トローバ、そしてアルベニスへ。当館所蔵銘器3本とご自分のアルカンヘル、計4本を替えながらの演奏でした。
 特に、トーレスでのアンコール”アルハンブラの思い出(タレガ)”は、穏やかに奏でられたトレモロが圧巻で、ストン、と心の中の柔らかい部分に刺さり、心震えて思わず涙した方も・・・。
印象に残る松澤結子さんのミュージアムコンサートでした。