斎藤優貴さんの師匠・鈴木大介さんを「今まで聴いたことがないようなギタリスト」と評したのは、今年2月20日に没後30年を迎えた現代作曲家の武満徹でした。
昨日の斎藤優貴さんのリサイタル。1年以上前からのラブコールがようやく実現。
お聴きになられたお客さまは、いわば、幸運にも、”音楽の感動宝くじ”、に当選したような感覚を覚えられたのではないでしょうか。
言葉では到底表しえないこの感動を、あえて言葉にさせていただくとすると、尾崎翠の小説タイトル「第七官界彷徨」にも使われておりますが、第六感を越えた高次元の感覚。『第七感を覚醒させるギタリスト』という言葉を、当館からはお贈りしたいです。
使用した2本のギター(関場大一郎氏製作のブーシェ・モデル、君島聡氏製作の吉野杉モデル)の特徴を生かした作品選び。
第一部冒頭は、半音下げた調弦で始まった関場ブーシェモデルでのバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」から始まりました。柔らかい綿菓子がふわりと空中に浮かび上がるような音色。クラシックギターの大きな特徴である音の減衰の美しさ。弱音の、得も言われぬ味わい。
アルベルトのソナタ1番、バッハのリュート組曲BWV995、と、高次元での調和のとれた室内楽を聴いているかのような、固まった心の芯を優しく解きほぐして貰っているかのような音色。
齢28にして、この境地。
君島さんの吉野杉モデルでの演奏は、ヘンツェの「3つのテントス」、休憩を挟んでのディアンス編のフェリジダーヂ、ニャタリの3つのコンサート、ピアソラのブエノスアイレスの四季、と、緩急自在。音色は、まさに七変化。終始温かく魅力的な音がホールにあふれ、お客さまに届けられました。
アンコールでは、
3月21日がご命日の濱田滋郎先生(スペイン音楽研究家・音楽評論家でギターをこよなく愛しておられた当館の名付け親)に捧げるバリオスの「最後のトレモロ」(神の愛に免じて施しを)を、当館所蔵のアントニオ・デ・トーレス1882(マヌエル・カーノコレクション)で演奏。
ギターは、弾き手によってさまざまな音色や表現を生みだすところが特徴ですが、濱田先生に捧げて下さった「最後のトレモロ」は、限りなくピュアで柔らかなトーレスの音色でした。
アンコール2曲目のピアソラの「リベルタンゴ」は、またこれも素晴らしい味わいでした。
終始、感動と感激に包まれた2時間でした。
斎藤優貴さん、ありがとうございました。
ご来場のお客さま、ありがとうございました。
お手伝い下さったボランティアスタッフ、ありがとうございました。
追伸:今回の演奏動画の撮影をしております。後日、当館YouTubeに演奏動画の一部がアップされる予定です。どうぞ楽しみにお待ちください。







